五日市鉄道を合併した南武鉄道は、青梅電気鉄道、御嶽・氷川間で工事中であった奥多摩電気鉄道とともに昭和十九(1944)年四月一日、国有化されました(昭和19・3・29「運輸通信省告示第116号」、運輸通信公報第121号=鉄道博物館)。いわゆる戦時買収にと呼ばれるもので、「生産資材の重点的輸送と産業戦士の足の確保(昭和19・3・31読売新聞三多摩版)」という軍事上の理由によるものです。五日市線は国に移管され、国有鉄道五日市線となりました。また、五日市線では武蔵上ノ原、宮沢、武蔵田中の三駅が廃止されました。