南武、五日市両鉄道ハ共ニ石灰石ト砂利トヲ貨物ノ太宗トシ石灰石ハ五日市鉄道ノ勝峰山ヨリ砂利ハ多摩川及其支流ノ流域一帯ヨリ産シ此等ノ貨物ハ其自然ノ趨勢ニ於テ将(来)又現下ノ運輸能力ノ状勢ニヨリシテ自ラ五日市ヨリ南武線ヲ通シテ川崎ニ向フベク従テ此両鉄道ハ立川ニ於テ交々接続連絡ヲ取ラザルベカサルノ立場ニ在リテ両鉄道ノ当事者モ□ク此点ニ留意シ既ニ各々延長線ヲ出願シ御免許ヲ待望致シ来リ候次第ニ有之然ルニ今次ノ大震災ハセメント、砂利ノ需要ヨリ木材、薪炭類ノ供給ニ至ルマデ急迫多量ノ搬出ヲ必要トスルニ至リ為メニ両線ノ連絡ハ一層急切ヲ感シ其施設ノ完成ハ一日ヲ緩フスベキニ非ルニ至リ申候就テハ両社ニ対シ五日市鉄道ノ拝島、立川間ト南武鉄道ノ大丸、立川間トノ延長連絡線ヲ至急免許相成候様特ニ御詮議被成下度別紙理由書ニ実状ヲ開陳シ茲ニ両社連署ヲ以テ此段申請仕候也
大正拾弐年拾弐月 日
東京府西多摩郡五日市町五日市六拾八番地
五日市鉄道株式会社
取締役社長 内山安兵衛 印
東京市京橋区北槇町日米ビルデンク内
南武鉄道株式会社
取締役社長 大塚栄吉 印
(別紙理由書 省略)