市史発刊を祝して

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 本市史は、市制施行二十周年記念事業として市民憲章制定と相俟って『昭島市史』の編さんが企画されて以来関係者各位の熱心なご指導とご協力を得て、ここに発刊されるにあたり、市議会を代表してお祝いを申し上げることは、私の最も欣快とするところであります。
 古きを訪ねて、新しきを知るという言葉がございますが、今日の発展をもたらした本市のもつ独自の風土と文化と伝統、さらには先人の事績や苦心の跡を訪ね、これを後世に伝えることが、現在と未来に生きる市民の責務であると考え、また日進月歩都市化現象の著しい本市において貴重な史料が日々散逸してゆくことを座視することにしのびず、これを本史にとどめ後世に伝えることは大変意義深いものがあると考えます。
 この市史編さんの大事業が進められる中で、市史編さん委員会委員・同調査員及び専門員の方々には、その史料の蒐集は予想以上の困難があったようです。しかし、市民の方々ならびに各機関の温かいご協力と各委員の粉骨努力によって、多くの貴重な文書、絵図等資料を蒐集され、それ等を資料編として刊行され、そしてこれらの刊行物が各方面において好評を得ましたことは誠にご同慶に堪えません。
 このような資料をもとに、監修者早稲田大学教授水野祐先生をはじめとする調査員、専門員の方々により、始原・古代から近代までの幾多の変遷をまとめていただいた、この『昭島市史』は、市の歴史を知る上に歴史的状況がわかり易く内容も豊富に記録され、市の歴史を伝える上で貴重な市史としてまずは大きな役割を果すとともに、市民のみなさんに親しまれ更に、よろこんでいただけるものと確信いたします。
 おわりに、本市史発刊にあたり終始調査ご執筆にあたられた各委員ならびに調査員、貴重な資料を提供していただいた方々やご協力くださった方々に対し、心から厚くお礼申し上げ、この市史を通じて、すぎし昭島の昔をしのび、今を知り、そして将来の昭島市を考える指標として大いに寄与することを願って発刊のお祝いのことばといたします。
 
  昭和五十三年十一月
                         昭島市議会議長 染谷島吉