D 立川面

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 武蔵野段丘と同じく、低位段丘下位の段丘面を構成しているのは、立川礫層の上に整合に重なる立川ローム層である。武蔵野ローム層の形成後の洪積段丘は、主としてウルム氷河期の極相に向った海水面低下期の、一時的な海水面停滞期に形成されたものである。このうち主要な段丘は、河川沿いに発達する河成段丘としての立川段丘面である。立川礫層の上にのる立川ローム層は、ウルム氷河期の末期に堆積した火山灰からなり、それは南関東では古富士火山の噴火に起因する。
 寒冷な気候の時期に堆積された立川段丘は、多摩川の左岸、国分寺市の武蔵野段丘崖下に発達をみせている低位段丘である。この段丘は東西に長く帯状に連らなり、昭島市・立川市・府中市・調布市など、首都圏西部の主要な衛星都市群を、その広い段丘面上に立地させている。立川段丘は武蔵野段丘や、現在の多摩川河床面よりも傾斜が急である。この附近では立川面は上部より二メートルの厚さの立川ローム層、その下に厚さ三~五米の立川礫層があり、更にその下には基盤の三浦層群がある。昭島市の市域で現在最も中心的市域である中央地区は、この段丘上にのっており、将来の発展を期待されている北部地区の空閑地域もすべてこの段丘上にある。昭島市にとって立川面はきわめて重要な機能をもつ。昭島市域内での立川面の構造を知るために、中神町北部の一三八九番地先の深い井戸を掘った時の地質調査の結果をみると、次のような状態がみられた。

Ⅰ図

 昭島市域においては、この立川段丘面よりも一段と下位に、二つの小段丘があることを注意しなければならない。これらはいずれも局地的な小段丘面であるが、本市としては主要なものであるから、次にその二つの段丘面について記さなければならない。