四 後期旧石器

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 日本列島の旧石器はほとんどこの時期のもので、縄文時代以前(約一万年前)から三万年前の約二万年間の旧石器を後期旧石器とよぶ。これらの石器は立川ロームから出土するため、しばしば表面採集される。この時期の石器の種類は多く、石器製作の技術も高度化している。彫刻刀形石器、台形石器、切出形石器、ナイフ形石器、細石刃、尖頭器、石刃などはいずれも後期旧石器に属し、芹沢長介氏はナイフ形石器→細石刃文化→有舌尖頭器文化→繩文文化のように編成している。ナイフ形石器は細石刃や有舌尖頭器よりはるかに永い間使用されてきたものと考えられており、形態的な変化も把えられている。ナイフ形石器は後期旧石器の代表的なものといえよう。ナイフ形石器は石核からはがし取った剥片や石刃をナイフ形に加工し、背をつぶしたものである。この石器には茂呂型・杉久保型・国府(こう)型などに分類されているものである。