日本列島は昔大陸と陸つづきで、日本海は大きな内陸海であった。それが今から約一万年前、地殻の変動で陸橋が沈没して日本列島ができあがったといわれる。そのことは、古生物の諸相や人類の残した石器にも現われている。繩文時代には日本列島ができていたわけであるから、旧石器時代末に日本列島が形成されたことになる。
後期旧石器時代で最も寒冷な時期はウルム亜氷期で、それは今から二万年位前のことであった。その前半の時期はまだ寒さがひどく、海水は凍ってしまい、そのため日本列島近海の海水面が四〇メートルも降下し、日本列島は南北とも陸橋によってつながっていた。また、火山活動も盛んで、この時期の火山泥流が各地に残っている。
ウルム亜氷期後期に入ると気候は温暖になりはじめ、氷海はとけて海水面は上昇した。それは一万数千年前のことで陸橋は海水面から没し、本洲島ができあがった。気候は一層温暖になり、海水面は高まり、北方で大陸と陸橋でつながっていた北海道も独立し、約一万年前には日本列島ができあがったのである。日本列島の形成によって、それまで自由に行き来していた動物や人類は日本列島にとじこめられ、マンモス象や野牛は気候の変化もあって絶滅してしまった。