二 奨兵義会

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 明治三三(一九〇〇)年一月、大神村に大神奨兵義会という団体がつくられた。この団体はつぎのような兵役に関連する諸活動を行うものであった。
 一 村内出兵者ニハ入営及満期帰郷ノ節左ノ通贈与ス
 一 入営者ニハ贐トシテ金五円帰郷者ニハ慰労トシテ金五円ヲ贈与スルモノトス
 一 旗ヲ贈ル事廃止シ送迎ハ総テ組合五人組内ニテ申合セヲナス事
 一 親威縁族ヲ除ク外贐別ヲナサザル事
                                             (中村保夫家文書)
 このような活動をする団体としては、すでに明治二九年(一八九六)郡下に北多摩郡出征軍人彰功義会が結成されており、そうした動きに影響されて大神奨兵義会もつくられたのであろうと思われる。こうした動向をみれば日清戦争の軍備拡張にともない村でも入営者が漸次増加してきたことがうかがわれ、それはまた当時の時代風潮の一端を物語っていると言える。なお設置された時期は不明であるが、同様の組織は他の村でもつくられており、史料で明らかにできるものとしては拝島村の拝島村兵事義会、中神村の兵員奨励会をあげることができる。