一 関東大震災

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 大正一二(一九二三)年九月一日、関東一帯は激しい地震に襲われた。東京も大きな被害をこうむり、死者は約一四万人、罹災者は三四〇万人にのぼった。
 震災直後の混乱のなかで社会主義者や朝鮮人が騒擾事件をおこすという流言がとび、住民たちは自警組織を作って朝鮮人の来襲に備え、多数の朝鮮人が殺されると言う悲惨事がおきた。昭島の村々でも地震からほぼ一週間ばかりの間は、消防団が夜警に動員され警戒にあたった。
 なお、昭島の村々では幸い地震による死傷者もなく、村民は罹災地に白米や木炭などの物品を送り、また避難民の受け入れにあたった。このとき受け入れた罹災者は中神村組合で一四〇名、拝島村で一一九名である。
 この関東大震災は、わが国の経済界に大きな打撃を与えた。被害総額は四五億七〇〇〇万円といわれ、政府は震災手形に四億円余の特別融通をおこなったが、その手形のコゲ付きが昭和二(一九二七)年の金融恐慌を生むことになる。