九 ウナギドーとハコドー

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 ウナギドーは、ウナギを取るための筌であり、第9図の如くアゴを二つもつものであった。ウナギを筌の中に誘い込むため、二番目のアゴの内側に、潰したタニシやミミズを入れておき、それを藻や浮草で流れないように止めてから仕掛けたと言う。ハコドーも筌の一種で、これは長方形の木製の箱からなるもので、「テンノウドー」とか「ハコブセ」などとも言われ、箱の正面に数本の鉄線を内側に傾斜させたアゴが作られており、水中に入れて上部に石を置き固定する。主として、ハヤやカジッカ(カジカ)等を捕獲した。誘い用の餌として、サナギの粉末を袋に入れ、或いは、赤土と混ぜて団子状にしたものを〓内に入れて使用した。

第9図 ウナギドー


第10図 ハコドー