これをつくれない娘は嫁に行けないといわれていたように、各家にはノシ棒やノシ板があり、祝儀、不祝儀に拘らず人寄せの時には自家製の手打ちソバ・ウドンをつくるのが普通であった。粥や汁の中に入れることもあるが、鰹節のダシでつくった汁につけて食べた。ネギ、ゆでナス、インゲン、大根を薬味にしていた。大晦日の年越しそば、祭礼、葬式などには欠かすことがなかった。ある古老は正月などは間にあわなくて、正月二日からソバづくりをするくらいであったと語っていたように、ソバ・ウドンは大もてであった。
F ソバ・ウドン