五 初節供など

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 生後初めての正月には嫁方の実家から年の暮れに男の子には破魔弓、女の子には羽子板が贈られてきて、初正月を祝う。特に、初めての赤子の時は近所づきあいや親戚からも子供が丈夫に育つようにとのお祝いをしてくれるが、羽子板などは床の間に飾っておくのが普通で、現在でもこの風習を継承している家が多々ある。
 初正月と同様に、初めての節供には嫁の実家や親戚などからもお祝いの品が届けられ。初節供を祝った。三月の女の初節供には内裏びなやおひな様一揃が普通だが、そのお返しとして赤飯・菱餅・お白酒などを配った。また、それにハマグリを添える家もあった。
 五月の男の初節供には鯉のぼりと吹き流しが贈られてきたので、鯉のぼりを立て、贈られてきた武者人形を飾ってお祝いをした。お返しには赤飯と柏餅を配った。カサゴというタラの干物を添える家もあった。初節供の贈り物は長男や長女の時が主で、殊に兄弟の多い嫁の実家では出費がかさむことから、二番目の子供の節供からは殆んど贈ることがなかった。