ハシカケの人の尽力によって婚姻の話が整うと、次の段階の「クチガタメ」、「ユイノウ(結納)」、婚礼などの諸儀礼へと進んでゆくが、この役割りを受けもつのが媒酌人であり、「ナコウド」・「オヤブン」と呼ばれていた。両家はそれぞれ一対の夫婦をナコウドとしてたてるのが普通で、このナコウドには血縁の本家や分家の関係者やその他の親戚の意見を考慮に入れ、祖父母や父母の時のナコウドや社会的地位の高い人や村の有力者に依頼するのが普通であった。両家はこのナコウドに正式の挨拶をして婚姻の一切をまかせた。また、ハシカケが間に入って両家のナコウドが顔合せをすることもあった。