目次
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附編
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民俗編
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第五章 年中行事
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二 正月の諸行事
A 若水汲み
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元旦の朝に始めて井戸から汲む水を若水といった。この行事は三が日を通して行われるが、年の暮につくった新らしい木の桶を用い、年男か戸主の男衆がこの役目をつとめるのが普通であった。汲んだ若水で茶を沸かし、神様への供物や雑煮をつくった。
家族一同が揃って屠蘇と雑煮と正月の特別料理で新年を祝った。若水を使用することによって一年の邪気を払うという俗信であるが、家によっては井戸神様にお年玉ということで、井戸に橙を投げ入れるところもあった。