G 農家の仕事始

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 農村では一一日を仕事始めとするのが通例であった。市内の一部ではニワトコの木で「四十郎兵衛」をつくり、これを堆肥小屋にさして豊作を祈願した。また、畑に鍬と団子を供えて神酒を撒く儀礼もあった。農作物の豊穰を願う予祝の行事は農家にとって大事なものであった。
 家によっては大正の中頃までカツの木と竹で粟穂、稗穂のよく成熟した形をこしらえて青竹に五~七本さし、畑に設けて農作の安全を願う「あぼ、へぼ」という風習もあったようである。