本来は恵比須様を祀る儀礼で、商売繁昌を願って正月二〇日、一〇月二〇日の年二回親類や知人を招いて祝宴を開く日である。この風習は江戸時代に盛んになり、家内の安全と繁栄に御利益があるということで、序々に各地方に滲透し、長い間続けられていた。市内での恵比須講も年二回営まれていた。朝大神宮様やお勝手にお祀りしてある恵比須様にお頭つきの魚、赤飯、雑煮、そば、御神酒などを供えて祝う。家によっては一升ますにお金を入れて家の繁栄を願うところもあった。講とされているがお日待ちはなく家族だけの行事であった。現在でも内客に差異はあるがこの行事を継承している商家がある。