A きわもの市

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 例年三月一日頃に拝島に市がたつた。道路に赤いテントの小屋の店が並び、おひな様や三月の節供の飾りものなども売り出した。村山や入間方面の商人が売りに来ていたが、呉服の店も開かれ、また、立川、砂川方面の農家の人が季節の野菜をもって来て青空市を開くなど大変な賑わいをみせていた。嘉永三年一二月付の普明寺文書『市立仕法議定連印帳』によれば、嘉永四(一八五一)年からこの市が始まり、五月の節供前と年の暮の年三回開催され、上宿、中宿、下宿と場所を移動する慣行があった。大正時代の中頃まで続いていたがその後すたれてしまった。