三 講

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 市内の各地域には古い時代から性格を異にする二つの講組織が存在し、それぞれがその特質を機能させて村落社会の発展に貢献してきている。一つは村落全体の共同作業や、祝儀、不祝儀などを通して、精神的、経済的な結びつきを図る生活共同体としての自治的組織の講であり、もう一つは榛名山、秋葉山などの民間信仰的な性格をもった社寺への信仰を基盤としたものであるが、社寺とは直接に結びつかず、村落の地縁を中心として成立した集団で、個々の信仰や講の成員の親睦を目的とした精神的な生活共同体としての講である。

榛名講の掛軸


榛名講代参人名簿(長谷川秋広家文書)

 前者については村落社会の項で詳述されているのでここでは、民間信仰と関係の深い講についてまとめてみた。
 市内各地域の住民を対象として講についての調査をしたが、結果は次頁の通りである。

市内各地域の講組織(町名は住居表示以前の旧区域を示す)

 多くの講組織名が挙げられているが、回答の際にかつては講中であったが現在では講に関係がないということから記入しない家もあり、また、伊勢講、頼母子講のように文書には遺されていても、現代には消滅してしまっているために記入していない講もあるなど、いろいろと問題はあるが市内の講についての一つの目安と考えられよう。