静岡県周知郡秋葉山に鎮座する秋葉神社は火之迦具土神が祭神で、火防の神として多くの人の信仰を集めていた。市内では拝島が大火の経験を何度かもっていることから、秋葉山の火防の信仰が厚かった。
拝島の秋葉信仰は明治一二年に始った。伊勢皇太神宮に参詣した村民が、その帰途に秋葉山に立寄って分祀したことから、上宿に祠ができるようになり、中宿、下宿にもこの信仰が広まり、秋葉講が各宿に組織されるようになった。大正三年頃まで中宿、下宿の道路の真中に常夜燈が設けられていて、秋葉様をお祀りしていた。この講は最初の頃には代参をおくり、一一月一八日には秋葉様をお祀りしてお日待ちを行った。現在ではこの講組織はなくなっているが、秋葉神社のお祀りは続けられている。