稲荷神は田の神の一つの典型であり、農耕生活との関係がより密接であることから信仰と結びつくようになり、また、狐を神の使いとする信仰とが結合して、呪術的要素をもった稲荷信仰として、人々の生活に滲透するようになり、農作物の豊穰や除災招福の神としてあがめられるようになったのである。市内においても各地域に稲荷神社が勧請され、氏神として崇敬されている地域もあり、また、数十戸の集団で小社をお祀りするところもあり、屋敷神としてもこの稲荷神が多く祀られている。初午の日は盛大にお祭りが挙行されるなど、現代でもこの稲荷信仰は各地域で継承されている。