大神町に「ひきり地蔵」といわれている地蔵堂がある。この地域は文化八(一八一一)年『観音寺分限帳』によれば地蔵の森と記してあるように、古い時代から地蔵が建立されていたようである。ひきりとは「日限」のことで、信者が日限をきって参詣し、祈願したので「ひきり地蔵」と呼称するようになったと、山崎藤助編『大神部落の研究』に記してある。現在、この堂の傍に昭和一一年丙子八月に大正講東武大神第一支部の人々の手によって建立された碑がある。「阿りがたや ひきり地蔵と念ずれば 二世の代までも まもるみ仏」と刻されており、人々の信仰が厚かったようである。
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大神町の日きり地蔵
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日きり地蔵の石碑