一〇 痢病尊

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 竜田寺の境内にある痢病尊は痢病の守護神として多くの信仰を集め、八月一日の祭日には遠方からの信者も集り頗る賑わっている。この痢病尊は本来、神奈川県秦野市の養国院に祀られていて、霊験あらたかな尊神として信仰を集めていたが、養国院十三世の慈海竜吟和尚がこの尊像を背負うて来て、そのまま竜田寺に駐ることになったので、祠を建てて奉安したことに始まると、山崎藤助編『上川原部落の研究』に記されているが、痢病尊の安置を文化年間(一八〇四~一八一七)としている。