岩手県水沢市に鎮座する駒形神社が惣社で、本来この神社は駒形神を祀るが、祭神の性格については神馬、馬頭観世音などといわれ、古来から諸説が多く明確でない。しかし、馬を保護し、馬の病気を治癒させる霊験により人々の信仰が厚く、関東、東北地方に分社が多い。大神の駒形神社は大己貴命、少那毘古命を祭神とする稀有な存在であるが、惣社同様に馬を保護し、病を癒すという信仰があった。観音寺に遺る絵馬には「文久元辛酉三月吉 武州入間郡水子村関野弥五郎 奉納駒形大明神」とあるように、埼玉県の信者もいたようである。
この神社の由緒は不詳であるが、永禄三(一五六〇)年武田勝頼の滝山城攻撃の際に焼失し、天正一八(一五九〇)年に再建された。その後、元禄一三(一七〇〇)年と宝暦一二(一七六二)年に再建され現在に至っている。
末社として金比羅神社(崇徳天皇)津島神社(須佐之男命)神明社(大日霊女貴命)天神社(菅原道真)第六天社がある。
なお、『新編武蔵風土記稿』によれば、「社前に一株の欅あり 太さ六囲」と記してあるが、明治末期に伐採されてしまった。