第三節 仏教信仰と寺院

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 西暦五三八年に日本に仏教が公伝して以来、長い年月に亘る伝導の成果によって、仏教、寺院は多くの信仰を集め、一方、人々の仏教受容の姿勢が諸地域の民俗と結合し、習合して生活の体系の中に定着するようになった。
 攘災招福などを願う庶民の信仰は時代の推移とともに発展し、祖先を供養する仏事法会の行事も盛行するようになり、年中生活行事にも仏教的要素が受容されるようになった。さらに、庶民と寺院、僧侶の結びつきも緊密化するなど、伝導者の活動と相まって仏教、寺院への信仰が高まるようになった。このように、信仰の様相に差異はあっても仏教の人々への滲透には著るしいものがあり、明治時代の仏教排斥運動にも充分と抵抗し、今日においても隆盛をみているが、その底流には人々の生活の体系に定着化した信仰があったからであると言えよう。
 現代でも彼岸、お盆、花祭りなどの仏教的年中行事が人々の生活の中に生き続けていると同時に、葬式儀礼、回忌法要を通しても人々の仏教、寺院への信仰は継承されてきている。
 市内の各地域にも寺院が存在し、地域社会のために重要な役割りを果してきたわけであり、現在もその責務をもち続け、市民の信仰を多く集めているのが現況である。本節では市内に存在する諸寺院についてまとめたものであるが、山崎藤助編『郷土研究』などを参照した。
 各町の住民と檀那寺の関係は左の通りであるが、宗旨は禅宗(臨済宗・曹洞宗)、天台宗、真言宗の宗派に限定されている。郷地、福島、宮沢の三村は村全体が一ヶ寺にまとまっており、他は数ヶ寺に亘っている。なお、田中、築地、大神の各地域の一部では八王子市高月の円通寺を檀那寺としている所もある。
 郷地 天台宗宝積寺
 福島 臨済宗広福寺
 築地 天台宗真覚寺 天台宗円通寺
 中神 臨済宗福厳寺 真言宗阿弥陀寺
 宮沢 真言宗阿弥陀寺
 大神 天台宗観音寺 天台宗円通寺
 上川原 曹洞宗龍田寺 真言宗阿弥陀寺
 田中 曹洞宗田中寺 天台宗観音寺 天台宗円福寺 天台宗普明寺 天台宗円通寺
 拝島 天台宗本覚院 天台宗普明寺 曹洞宗龍津寺 天台宗円福寺