きょうそ病はうじばえの卵によったので、その対策にも蚕種業者は気を使った。蚕種の保管に富士山麓や浅間山の風穴も利用された。大正時代には冷蔵庫も使用し、さらに人工ふ化に至った。
昭島地域には○○館などの屋号をつけた蚕種業者が集中し、蚕種の生産量は群を抜いていた。一枚1.8円から2円ほどで、一万枚、二万枚という金額はサラリーマンの月給40~50円の時代、大変な収入となったわけである。戦争の影響で昭和14年(1039年)ごろには昭島市の蚕種業者は転業に至ったのです。
東京府蚕業同業組合加入総数
春蠶種注文帳
北多摩郡の100名のうち、昭島地域の業者は56名に及び、この中に各1単位で、武蔵蚕種合名会社、東京蚕種合名会社、西川製糸株式会社が入っている。56名の内訳は大神17名、田中11名、上川原6名、宮沢10名、中神3名、福島3名、拝島4名、郷地2名である。
武蔵蚕種、東京蚕種合名会社に加わっている個人は20名をこえているようである。
「大蚕種製造家一覧」のように東京府の1万枚以上生産した17名中、昭島市で9名を数えているのです。
大蚕種製造家一覧
この蚕種製造家を府県別に集計してみると、東京は17名で全国第8位である。
愛知 50 静岡 21 福島 11 その他
長野 40 群馬 19 山形 10 29県で104
岐阜 38 東京 17 朝鮮 10
愛媛 23 京都 16 奈良 10 計(44県)
三重 23 熊本 13 和歌山 9 414