糸ひき関係用具

1.座繰
 繭から糸をつむぐ歯車のついた糸繰りの道具。糸ひき、糸とりともいう。18世紀後半に発明、幕末から大正時代ごろまで養蚕農家で使われたもので、繭から糸口をとり出し、ワクにまきつけつける。天保年間(1830-1843)より、川越の水村金蔵の木屋製作所で作ったものが多摩地域には多い。

 


 
2.牛首(くび)
 やや重い土台に柱をたて、そこにワクをつけ、指でまわして糸をとる。

 


 
3.口立ぼうき
 みご(ワラの穂先)や、もろこし、きびの穂、その他で作られている。繭をなべで煮て、湯に浮かんだ繭をほうきでかきまわし、からみついたものから糸をとり出す。
 
4.口すくい
 座繰で糸をひく時、口立ぼうきで糸口を出したものを、お湯の中からすくい上げるもの。金属製、しの製、また大小がある。

 

 
5.糸とり七厘
 繭を煮てさめないように炭火であたためながら糸をひく。逆ピラミッド型、土壁のまわりを板で囲い、下部に空気口がつく。コンロを使う場合もあった。繭煮なべを用いる。

 

 
6.糸ひきめかい
 しので作った小さいざる。ひき終わった繭がらや、さなぎをとり入れたり、休む時になべから繭をあげておくときなどに使う。
江戸末期より戦前まで八王子や南多摩地域でたくさん作られた。
 
7.糸枠
 座繰器にとりつけ、糸をまきとる枠で、大小がある。
 
8.揚枠
 座繰器でまきとった生糸を小枠から大枠に揚げなおし、島田づくりに束ねやすくする。直径60cmほど、長さは2mほどもある。

 

 
9.糸あげ車
 揚げ枠を回転させるための車。つなをたぐることにより縁側の天井などにとりつけた枠をまわす。

 


 
10.糸まき車とくだ、杼(ひ)(くだ巻車、糸繰車、竹車その他の呼び方がある)
 機織をする前、杼(ひ)に入れる小さな管に糸をまきつける道具。指で回す。hb

 


 
11.フワリとフワリ台
 糸まき車で管に糸をま<>