讃岐を少し上空から眺めると…南に高さの似通った山並みが続く讃岐山脈を配置し、高松、丸亀、三豊の三つの平野の中に、屋島の様な台地と飯野山の様な円錐形(えんすいけい)の小山が点在し、ため池が適宜配置されているのがよく分かります。
旅する人は讃岐に入った途端、この素晴らしい景観に感激と同時に不思議さを感じ、故郷(ふるさと)をここに持つ私たちは懐かしさと安心感を抱きます。
また、柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)は万葉集で「玉藻(たまも)よし 讃岐の国は 国柄(くにから)か 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き 天地…」と讃岐の風景を詠んでいます。讃岐の港から沖合いに出て航行すると、美しい海に島が次々と現れ、また讃岐富士(飯野山)をはじめとする秀麗な姿の山々を南に見ることができます。人麻呂はこの景色を見て、こう詠んだのでしょうか。
「玉藻(たまも)よし」…美しい海藻(かいそう)を産する讃岐をほめる言葉。「讃岐」にかかる枕ことば。