滝宮の水車

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 豊かな川の水の力を利用して、昔から精米(せいまい)(麦)、製粉に使われた動力装置に、水車があります。水車の使途は、地域の産業によって、製材、綿(わた)くり、搾油(さくゆ)、砂糖きび締(じ)め、稲わらうちなどいろいろです。江戸時代末期から昭和初期までの長い間、水車は、これらの産業の万能動力源として利用されました。
 綾川流域の滝宮には、横井堰(よこいせき)(水車に使う水を貯水する所)設置に適した地理的好条件もあって、古くから、粉ひき水車が稼働(かどう)していました。なかでも中車(なかぐるま)は龍燈院綾川寺(りゅうとういんあやがわじ)の寺車(てらぐるま)(寺社の穀物を加工するために設置された水車)として最も古くから操業していたようです。戦後の復興が進むにつれ、安定的に電力が供給されはじめると、動力のほとんどが、水車から、効率の良い電動機へとかわり、綾川沿いにあった水車は、その姿を消してしまいました。

滝宮公園に移設された水車(上車)