埋立地の造成

14 ~ 15 / 452ページ
 東京湾の海岸線は埋立地の造成によって一変した。海岸の干潟と遠浅の海は消滅して、旧海岸線から沖合にかけて約二・五キロメートルも陸地となった。埋立地の造成は昭和十五年からはじまった。これは大正期から進行する東京湾の西岸よりも約二〇年もおくれた。京葉臨海工業地帯の造成が千葉市の地先海面の埋立からはじまった。そのため昭和二十六年から昭和五十年までに千葉市の地先海面には全面的に埋立地が造成される。その予定面積は五、六〇〇ヘクタールであり、現在(昭和四十六年度)すでにその六〇パーセントが造成されている。この埋立地の造成によって、千葉市は漁業権漁業は消滅し、海洋性の自然観光レクリエーション地は消減することになる。これに対して埋立地に海岸公園の造成や「わんぱくランド」の造成が行われて、人工的レクリエーション地に代替している。
 かつては千葉市の地先海面が砂浜・海岸線・干潟が帯状につらなる天然海岸であった。しかし埋立が地先海面に全面的に行われたので、海岸はコンクリートで造成され、水深が急に深くなる人工海岸となった。この天然海岸から人工海岸への変化は、千葉市の地先海面だけでなく、東京湾の全海岸線一六〇キロメートルにわたって人工海岸となってしまった。
1―1表 市域の埋立地造成
年月日埋立地編入面積総面積
昭和27年12月26日川崎町埋立地を編入1.8088.13
  31年4月10日港町地先公有水面埋立地を編入0.01158.82
  32年11月1日神明町地先公有水面埋立地を編入0.01158.83
  33年4月15日蘇我町2丁目地先公有水面埋立地を編入0.30159.13
  33年11月1日神明町,新宿町1丁目,新田町,登戸町1~3丁目地先公有水面埋立地を編入0.13159.26
  34年4月10日川崎町地先公有水面埋立地を編入0.72160.83
  34年11月1日幕張町5丁目地先公有水面埋立地を編入0.16160.99
  35年11月1日幕張町5丁目地先公有水面埋立地を編入0.15161.14
  36年9月1日幕張町4丁目地先公有水面埋立地を編入0.12161.26
  37年12月22日千葉港内埋立地を編入0.10161.46
  38年7月5日蘇我町2丁目,塩田町地先公有水面埋立地を編入0.07210.90
  39年2月4日幕張町1~3丁目地先公有水面埋立地を編入0.34211.24
  39年2月4日稲毛町5丁目地先公有水面埋立地を編入
  39年5月12日稲毛町1丁目地先公有水面埋立地を編入0.58211.82
  39年9月15日幕張町1丁目地先公有水面埋立地を編入0.10211.92
  39年12月25日蘇我町2丁目地先公有水面埋立地を編入0.07211.99
  42年3月14日神明町,新宿町2丁目,登戸町1,2丁目,緑町,黒砂町地先公有水面埋立地を編入4.34216.30
  42年8月15日川崎町地先公有水面埋立地を編入0.00216.30
  43年2月20日浜野町1212番地先公有水面埋立地を編入0.00216.30
  43年8月23日塩田町388番地,浜野町,村田町538番地先公有水面埋立地を編入0.11216.41
  43年8月23日川崎町,寒川町1丁目地先公有水面埋立地を編入0.33216.74
  43年8月23日新港地先公有水面埋立地を編入1.46218.20
  43年11月26日横戸町地先旧河川埋立地を編入0.00218.20
  44年10月21日川崎町地先埋立地編入0.10249.87
  44年10月31日幸町地先埋立地編入0.00249.87
  45年7月3日新港地先埋立地編入0.00249.87
  45年9月25日浜野町地先埋立地編入0.00249.87