Ⅳ 木戸場(きどば)貝塚(都町字木戸場所在)

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 葭川と都川の間へ東側から突出している台地(下内(しもうち)台地)の基部に近く、台地幅が若干狭くなってきたところの中央部に立地する。
 宅地化が進行しているため、全体の規模を知ることは困難である。貝塚の東側の一部を切断して市道が南北に通っており、過去何回かの拡幅のたびごとに、貝層断面の露出が見られた。
 この市道で切断された西がわの部分から住居址の断面が確認されており(註7)、東側から採集されたという土器が保存されている(註8)。この土器は諸磯b式に属するもので、口頸部のみである。貝にまじっており、中に灰がつまっていたと伝えられている。
 以上のような点から、本貝塚は、縄文前期諸磯b式期の集落遺跡と認められる。

2―36図 都町・木戸場貝塚出土の土器・口頸部
(諸磯b式)