採集

137 ~ 138 / 452ページ
 それでは、これらの食糧となる獲物を彼らはどのようにして手に入れていたのであろうか。
 これらの中で、その獲得が一番簡単なものは、ほとんど動きのない、貝類・植物の採集であろう。
 その「採集」であっても、何らかの道具を使用した方が便利なことは事実であり、今日、はっきりと採集に使用された道具とされる遺物の存在がない中でも、簡単な「木の棒」などの使用は考えられてもよいであろう。クリのように、非常に鋭いトゲに包まれたものもあるのである。
 また、中期において大量に発見される打製石斧は、工具としてよりも「土掘り具」として見られており、植物の地下茎、根菜類の採集が想定される。

2―63図 生産に使用された道具(1),おの(模造)(1~2磨製石斧,3打製石斧)と石斧


2―64図 生産に使用された道具(2),弓(1),矢(2)(模造)と石鏃(3~8)