縄文時代の貝塚は、全国で約二千カ所を数えるという。そのうち約半数が関東地方にあり、千葉県下には約三百カ所が集中し、しかも、その約七割が東京湾沿岸に密集している。更にその半数以上が、直径百~二百メートルに及ぶ環状や馬蹄形を呈する大型貝塚によって占められ、市川市の曽谷貝塚(註1)や、千葉市の加曽利貝塚など、日本でも最大級の貝塚がこの地域に集中している。
これは、ほかの地域では決してみられぬ、まさに驚異的な現象で、たしかに、「縄文時代の文化全体のなかの、一つの地域性の表現(註2)」であり、これを「貝塚文化」として特徴づけることができよう。そして千葉市こそは、その地域の中央に位置し、貝塚の数や規模において全国で最大を誇り、いわば、「貝塚文化」のメッカということができる。