b その他の前期古墳

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 大覚寺山古墳の西隣り、ちょうど東京湾から進入する小支谷をはさんだ台地上に七廻塚古墳があった。この古墳は直径五四メートルを数える大古墳であったが、現在の生浜中学校校庭拡張工事のため湮滅してしまった。工事に先だって昭和三十三年に、発掘調査(註2)が行われ、主体部より貴重な遺物類が発見されたが、古墳の形態については、周溝未確認のため円墳か方墳か判然としない。主体部から発見された遺物は、鉄製大刀、鉾、剣、鎌、斧、〓、棺外から青銅製鏡、滑石製釧、臼玉、琴柱型製品とともに、刀子、鎗、斧などをあらわした石製模造品があり、特に石釧は全国でも珍しい大型品であり、この古墳の被葬者の権威を示すものとして注目される。