第六号墳

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 直径一二・五メートル、周溝外径一六メートルの円墳で、周溝部はこれまでのものに比べて浅く、それだけ、墳丘部が低い。
 内部主体は墳頂部にも麓部にもなく、円形プランの中央部に、旧地表面からローム層に掘り込まれた竪穴式地下式墓壙で、長さ一・八メートル、幅〇・七メートル、舟底形を呈する。木口粘土の所在から木棺直葬と思われ、副葬品としては、鉄製直力一振、剣一振、刀子十数本が検出され、装身具は発見されなかった。
 なお、第五号墳、第七号墳及び第八号墳は、直径七~三メートルの小型の円墳で、いずれも主体部が発見されず、しかも、周溝部がほとんどローム層まで掘り込まれておらず、その形状は不明であった。しかも、墳丘部の盛土中からも、ローム質土塊は発見されず、ほとんどが腐食した有機質土のみであった。これは、おそらく周辺の表土をかき寄せて積み上げられたものと思われる。