内部主体は、墳丘東側のくびれ部、盛土下旧地表面下に設けられた竪穴式石室である(二―一三〇図)。石室の内法は長さ二・二メートル、高さ約〇・九メートル、幅は北壁で〇・七五メートル、南壁で〇・六四メートルである。ローム層に、二段の土壙を掘りこみ、ローム面下約〇・九メートルの底面を基盤として、長方形の四壁を積み上げている。また、側壁の外側には、粘土が固く充填されていた。
石室床面からは、鉄刀二振、刀子一口、鉄鎌一、鉄鏃二〇本が出土した。鉄刀はいずれも西壁沿いに安置され、その切先は南に向けられていた。
2―130図 中原4号墳内部主体の構造(「中原古墳群発掘報告」『古代』37号)