目次
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第4章 近世
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第四節 共同体としての村落
第一項 用水をめぐる争論
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日本の農業では、水田耕作が中心であり、稲作にとって十分な用水の供給は、欠くことのできない条件である。
このため各村々においては、いかにして用水を確保するかが重大な問題であった。したがって用水をめぐっての村と村の間の争論もしばしば起こっている。ここでは、長沼をめぐる宇那谷村と長沼新田の争論と、泉谷(いずみやつ)をめぐる北生実村と南生実村に起こった争論をみてみる。