秣場とは、山野の採草地であり、ここで刈り取られる草は、近世農業にとって主要な肥料源であった。また同時に牛馬の飼料でもあった。
これらの秣場は、数カ村の入会地(いりあいち)となっている場合が多く、秣場利用をめぐっての争論はしばしば起こっている。また千葉周辺での新田開発は、おもに秣場として利用されていた原野を開発するかたちで進められたために秣場を必要とする村々にとって、秣場面積の減少は、生活にかかわる大問題であった。このために争論も多かったのである。
第二項 秣場(まぐさば)をめぐる争論