目次
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第4章 近世
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第七節 佐倉藩の外港としての千葉
第一項 交通上の位置
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室町時代の争乱の中で、千葉氏も一族の内紛から、康正元年(一四五四)には、猪鼻城(いのはなじょう)が落城し、千葉の町は、以後城下町としての性格はなくなった。
江戸時代になってからも、下総では佐倉藩領に属するが、政治的中心は佐倉であり、近世初頭においては、千葉町も一農村を想定した方がよかろう。しかし千葉は、江戸と房総地方を結ぶ交通の要所にあたっているために、交通・運輸の中継地として、商業的色彩を次第に強くしていった。