千葉地区の水産額

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 千葉地区(習志野市を含む。)の明治後期の水産額については『千葉県農商統計』(明治二十三年度)に、漁民戸口・漁船数・漁具数、水揚高と水揚量をあげている(五―二七表)。千葉地区には専業戸数が四一〇戸、兼業戸数が一、〇二六戸としている。専業漁民は一、四二九人、兼業人口が二、九七〇人となっている。漁船数は六人網用が二一六隻、雑網用が三二八隻である。水揚高百円以上の魚介類は六五種のうち一五種である。水揚総額が五万一五八〇円のうち、四万円を占める。千葉地区の水揚高のうち、貝類は三万一九七円(五八・五パーセント)を占め、貝類養殖業が盛んであり、東京湾西側の貝類養殖の七八パーセントを占めていた。これに対して魚類漁業は水揚高が四一・五パーセントであり、魚種もすくなく、特に目立つ魚種は、えび、かに、いわし、あじなどであった。千葉地区は内湾の東浦四四カ村のうちでは群を抜いた漁業地とはいえず、ただ貝類養殖地としては内湾の最高の地位を占めていたということができる。
5―27表 千葉地区の水産額(明治23年)
地区
種類   
東京湾西側全体千葉郡割合
いわし
593,707

38,915

30,000

1,500

5.0

3.8
かれい60,41519,02612,0351,8052.01.0
あじ126,19137,4563,3505362.01.4
さば111,27633,173400600.30.1
いか20,2864,9062,8706111.41.2
くるまえび74,48758,3585251840.70.3
新えび15,1936,7162,21422314.53.3
かに41,6832,9946,08272914.524.3
ぼら85,87925,8742,5204032.91.5
はまぐり113,1875,89246,9203,75341.463.6
赤貝11,0001,100100.0100.0
バカ貝357,83919,75632,9892,3289.211.7
1,913,42612,02493,9207514.96.2
しおふき貝1,210,10018,381944,00014,16078.077.0
あさり788,51615,053592,90011,85875.178.7

(『千葉県農商統計書』)