有動力 | 無動力 | 計 | 内容 | 従業員10人以上 | |
紡織 | 6 | 1 | 7 | 組物編物3,撚糸2 | 3 |
機械器具 | 3 | 2 | 5 | 飛行機製造2,機械器具2 | 4 |
化学 | 6 | 2 | 8 | 製紙4,製油2,ゴム2 | 6 |
食品 | 36 | 4 | 40 | 澱粉33,落花生加工2,製氷1 | 5 |
印刷 | 3 | 0 | 3 | 2 | |
その他 | 6 | 3 | 9 | 製材6 | 2 |
電気 | 0 | 1 | 1 | 1 | |
ガス | 1 | 0 | 1 | 0 | |
総計 | 61 | 13 | 74 | 23 |
(『千葉県統計書』より作成)
工場の内容は、食品関係の四〇工場を第一に、化学八、紡織七、機械器具五が、主なものである。
食品関係では、四〇工場中、三三は、澱粉工場で、市域全工場の四五パーセントにも達した。
製氷が一工場みられたが、これは、県下唯一であった。
化学部門は、製紙・製油・ゴム製品で、製紙では、当地区が県下の中心となり、蘇我町の今井、小泉両製紙工場で、年間一〇万円余の生産をあげた。千葉町新宿地区には、明治四十三年五月創業の笹本製紙があった。ゴム製品工場は、無動力で、新宿地区にあった。
紡織部門の中心は、組紐工場で、最盛時には、一〇工場あったが、九年には、三工場になってしまった。
機械器具製造業は、明治末期までは、安房、海上郡などで、船舶・農漁具関係の製造が中心であったが、第一次大戦を契機として、東葛・千葉郡にも成立した。
当地区での特色は、飛行機製造と、度量衡製造で、飛行機製造の一は、大正四年、稲毛地区に設立された伊藤飛行機研究所で、手作りで機体製造を行った。ここで製作された恵美一号機は、稲毛より、東京湾を横断して、東京上空への往復飛行に成功した。それは、東京上空を飛行した民間機の第一号であった。度量衡製造工場は、新町の大野度量衡で、県下唯一の工場であった。
恵美2号機(右)<伊藤恵美子氏提供>
大正九年以降、慢性的不況となり、産業界は全般的な停滞状態になってしまった。そのような折の十二年九月、関東大震災が発生し、東京を中心に、大損害をこうむった。この震災を契機に、工場の地方分散が行われ、本県にも、市川付近を中心として、東京から、工場の移転がみられた。