昭和七年八月農林省から七、八年度の助成金船溜り施設費一九万五千円、磯掃除等施設費一万八百円の割当てをうけている。このほか更生計画では漁村共同施設助成費として六万八千六百円を計上している。この水産事業についても事業の経緯として「本工事の施行は漁村の過剰労力を消化し、労銀の収得は逼(ひつ)迫せる漁家の経済を緩和するのみならず、漁民は事業の完成を想望して活気横溢、為に漁村更生の機運著しく促進せられ、漁村匡救の実を拳げ得べきを確信する。」と『経済更生計画大観』に記されており、漁村もひどい打撃をうけていたことがわかる。検見川、幕張、蘇我のほか千葉市も稲毛、寒川など水産業者を抱えていたので当時の苦境が推察できる。