千葉県の第一回衆議院議員選挙

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 このときの選挙は、終戦直後の政局転換への空気もあって定員一三名に対し八五名(うち一名が辞退)が立候補し、全国平均を上回る六・五三倍の競争率であった。全国の競争率は定数四六六名に対し二、七七〇名が立候補し、競争率は五・九四倍であった。

 投票率は、前半の盛り上がり不足にもかかわらず、婦人たちの出足もよく全国平均は七二・〇八パーセントであった。しかし本県は六四・三パーセントで、全国最低であった。このことは県民の政治的関心の低さを物語るものであろう。

 県内の立候補者を党派別にみると、日本自由党一六、日本進歩党一四、日本社会党七、日本共産党六、日本協同党四、諸派一四、無所属二四、計八五名であった。これに対し当選者は日本自由党六、日本進歩党二、日本社会党一、諸派一、無所属三、計一三名となっている。全国的にも日本自由党が一四〇議席、ついで日本進歩党が九四議席、日本社会党が九二議席と、この三党で大部分を占めた。

 注目すべきことは、千葉県で初めて婦人の衆議院議員が当選したことで、新日本青年党から出馬した竹内歌子議員がそれであった。全国では三九名の婦人議員が誕生した。婦人の大量当選は、女性に参政権が与えられたためと、大選挙区制の連記制によって婦人有権者は投票のさい一名は同性に投票した結果ではないかといわれた。

婦人代議士の誕生を報ずる新聞記事 (『千葉新聞』 昭21.4.11)

 千葉市と直接関係はないが全県一区の大選挙区制であったので当時の当選者と得票をあげることにする。

  得票      氏名     所属

 一一万〇七五九 山村新治郎 日本自由党

  九万五五五八 成島勇   日本進歩党

  八万八四一五 森暁    無所属

  七万〇二二一 横田清蔵  日本自由党

  六万二六一四 竹内歌子  諸派

  五万九二五六 片岡伊三郎 日本自由党

  五万五一八〇 水田三喜男 日本自由党

  四万九五三三 吉川兼光  日本社会党

  四万八三〇九 青木泰助  日本進歩党

  四万六二七三 藤田栄   日本自由党

  四万一九九八 寺嶋隆太郎 無所属

  三万八五七六 木島義夫  日本自由党