農地委員

67 ~69 / 546ページ

 買収ならびに売渡し計画は、地主三、自作二、小作五の構成で、各階層別選挙によって組織される市町村農地委員会が自主的に作成し、上級の県農地委員会が承認すれば効力を生ずるものであった。昭和二十一年十二月下旬、全国一斉に行われた選挙により決定された、当市域の農地委員名簿を次に掲げる。このあと二カ年にわたり、画期的な農地改革を推進した農地委員であるが、前掲の『千葉県土地制度史(下)』によると、やや低調であったようである。県全域について一般的な傾向であるが、地主委員は地主層有権者六八人に一人の割で、その八割近くが無競争、自作農層は有権者三六三人について一人で割が悪く、小作層は一八四人に一人であった。ともに過半数の委員が投票を行わず決定されている。兼業農家の多くは棄権したという。もと農事実行組合長、部落会長、村議などの地位に在った五〇歳前後のものが過半で、一ないし一・五町歩の耕作実績をもつものが代表者であった。民主化された近代農村の建設を意気ごんでも、ただ忙しいばかりで報償も少なく、その上、人に恨まれては引き合わないという気持があったろう。

六―一三表 市町村農地委員会委員名簿(昭和二十一年十二月選出第一期)
千葉市(20)土気町(10)椎名村(10)白井村(10)犢橋村(10)
大野虎吉伊藤庄一杉田一良伊藤善一蜂谷音次郎
小林哲井丸豊石井清作石原換長岡兼次郎
山沢国三郎井沢挽伊藤衙土屋鐵之助中村新四郎
松本省一石井良雄山田国蔵杉山俊市松戸千代松
千脇花蔵錦織由蔵高梨忠西郡正一名古曾作次郎
伊原岩松石井貞一鴇田忠良石出廸弥島田二郎
沖田甲子蔵吉原満寿夫地挽義雄石井広川口幹
清宮仁光林常盤城斎藤健穴倉善輝鶴岡重夫
大塚定雄石井信雄鈴木蔵吉湯浅春治小川徳之助
石原光治橋本温知内海静石原孝金子与三郎
古川義誉生浜町(10)誉田村(10)更科村(10)幕張町(10)
足立幸吉良西田英山崎定吉高橋功小川隆太郎
湯浅幹小林吉蔵秋庭八重郎猪野芳夫斎川利三郎
高橋孝高橋栄太郎山下子之吉板倉嶋吉蜂谷四郎
大塚義雄伊藤武夫高橋清市鳥海千代治中谷平一郎
伊原茂増田平四郎高橋影山本宇之吉青木庄之助
花沢覚司吉田暢大塚常好島田清長次吉右衛門
植草長一時田健三今井太喜雄猪野儀側桜井太一郎
高井三蔵鈴木衛今井斌石橋貞治小川瑛
斎藤誠一並木兼吉中村志一猪野高三郎小川元三郎
鹿野喜市斎藤由太郎増田実皆吉直二郎