8 川鉄生浜地区と主な川鉄関連企業

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 川鉄は蘇我地先から生浜地先までの海面を埋立て、工場建設を希望したが、県がこの地先の埋立を決定し、漁業補償協定が結ばれたのは昭和三十六年十二月であり、埋立に着手したのは三十七年六月であった。埋立完了は四十年三月である。川鉄はここに第二冷間圧延工場を建設し、四十年十月に鋼板製造を開始した。四十一年五月には、鋼索溶接棒の製造・管理業務の一元化のため、鋼索溶接棒工場を設置した。

 川鉄の主な関連企業は、次のとおりである。

(1) 川鉄化学株式会社――製鉄所の化成部門が、化学工業としての企業体制を採るため、川鉄構内に昭和三十四年二月設立された。

 同三十五年には、ベンゾールなどの精製を開始した。同三十六年六月、川鉄の化成回収部門及びタール蒸溜部門を担当し、タール製品・硫安の製造を行い、石炭化学工業としての基礎を築いた。

 三十九年十一月には、世界最大級の大型コークス炉を建設し、川鉄のコークス部門を全面的に引き継ぎ、コークスから石炭化学までの一貫体制を確立した。四十四年四月には、川鉄の酸素設備も移管した。主要製品は、コークス・ガス・酸素・ピッチ・純ベンゾール・無水タール・硫安などである。資本金は三七億五千万円、従業員は一千名、うち女子四五名である。

 県内出身者は、全従業員の約三〇パーセントである。

(2) 川鉄鋼板株式会社(塩田)――大正二年、わが国亜鉛鉄板メーカーのパイオニアとして創立された。進出第一号で、昭和三十五年三月に立地した。主製品は、赤鳩印亜鉛鉄板及び着色亜鉛鉄板である。

(3) 川鉄鋼管株式会社(塩田)――大径鋼管の需要増大に応えるため、川鉄の関連企業として塩田地区に昭和四十二年一月に設立され、四十五年九月に一期工事が完成した。主として水道用鋼管・鋼管杭の製造を行う。

(4) 千葉耐火物工業所――高炉樋材その他の製造を行う。

(5) 川鉄鉱業――ドロマイド・硅砂・硅カル肥料・生石灰などの製造を行う。

(6) 川鉄建材工業――軽量形鋼・建材製品・プレハブ鉄骨などの製造を行う。

(7) 千葉製缶――主に食品缶詰用缶・ブリキ印刷・コーティングなどを行う。

(8) 川鉄コンテナ――鋼製缶・鋼製容器・高圧ガス容器などの製造を行う。

(9) 生浜鉄工――昭和四十二年四月設立された。造船用部材・一般鉄鋼構造物の製造を行う。

(10) 川崎重工――大型管槽製品の製造を行う。

(11) 川崎電気工業――起重機・運搬機械・製鉄機械の製造を行う。

(12) 川北工業――スチールコード・ワイヤーの製造を行う。