昭和四十二年七月現在の、千葉市域の従業員三〇人以上の製造業の事業所数と、その町別分布は、六―四七表である。
24年 | 33年 | 42年 | 主な内容 | 主な分布地域 | |
食料品 | 10 | 13 | 17 | パン菓子4 | 川崎2,幕張2,稲毛東2,桜木2 |
繊維 | 1 | 2 | 3 | めん類 3 | 南,園生 |
衣服 | 1 | 4 | 漁網,ロープ | 土気,幕張 | |
木材,木製品 | 1 | 1 | 重布,靴下,ワイシャツ | 長沼原 | |
家具 | 1 | 3 | 桜木,若松 | ||
パルプ,紙 | 2 | 3 | 袋加工,製紙 | 園生,蘇我,神明 | |
出版印刷 | 1 | 6 | 吾妻,亥鼻,市場,椿森 | ||
化学 | 2 | 5 | 酸素,薬品 | 園生,天台 | |
石炭,ゴム,皮革 | 1 | 1 | 4 | 肥料,ゴム,皮革 | 川崎,長沼,園生 |
窯業土石 | 2 | 11 | 石綿,コンクリート製品 | 六方,幕張,塩田,桜木 | |
鉄鋼,非鉄 | 2 | 8 | 製鉄,アルミ加工 | 川崎,千種,塩田,穴川,六方 | |
金属製品 | 2 | 5 | 18 | 川崎,千種,六方,長沼,幕張,犢橋 | |
一般機械 | 5 | 6 | 23 | 千種,稲毛,浜野 | |
電気機械 | 1 | 2 | 6 | 犢橋,稲毛東,園生 | |
輸送用機械 | 1 | 1 | 3 | 船舶,自動車部品 | 幕張,小深 |
精密機械 | 1 | 2 | 2 | 計量器,測定器 | 新町,小深 |
その他 | 1 | 3 | 7 | 発電,ガス | |
総計 | 24 | 46 | 124 |
(『千葉市事業所名鑑』,土気町資料その他より作成)
従業員三〇人以上の事業所総数は一二四で、昭和三十三年の四六に比し、約二・六倍に増加した。昭和二十四~三十三年の一・九倍に比し、この間の工業化が著しかったことを示している(以下倍率はすべて三十三年比である。)。
一二四を部門別にみてみよう。
(一) 食品――一七で一・三倍、昭和二十四年比でも一・七倍にすぎない。分布地域は、川崎・稲毛・新宿各町で、昭和二十四年当時からのもので、本年には、桜木町の落花生加工が加わったにすぎない。川崎町の千葉製粉、山崎パン、新宿町の参松工業は食品コンビナートに昭和四十二~四十四年に移転した。
(二) 衣服――分布は、幕張埋立地一のほかは、土気地区に集中し、内容は、ワイシャツ製造一、靴下製造の二である。
(三) 印刷・出版――稲毛地区の地図印刷一のみであったものが、昭和四十二年には六に増加した。分布は、吾妻・亥鼻・市場・椿森の町域で、市中心部に集中している。
(四) 窯業土石――一一で五・五倍になった。内容は多岐にわたり、建設・建築用、自動車用、鉄工業用がみられ、鉄工業用は、塩田町に、他は、六方町、幕張町に多く立地する。
(五) 鉄・非鉄金属――八で四倍になった。製鉄は、川崎製鉄と東邦工業だけで、他は鉄鋼加工である。アルミニューム加工は六方町に立地する。
(六) 金属製品・機械製造――四一で四倍になった。この一〇年間に最も増加した部門である。昭和三十三年までは、食品部門が、数・比率とも第一位であったが、昭和四十二年には、この部門が一位となった。一〇年間における千葉市の工業化とその内容の変化――重工業化――の一端を示している。この部門は三〇人以上の企業が多いが、反面三百人以下の中小企業のみである点に特色がある。分布は、川崎・幕張・稲毛各町など従来からの地域のほか、千種・六方・長沼・犢橋という全く新しい地域が登場し、この地域では他部門の工場も加わって、集中的に、また集団的に立地し、工業地域らしいものを形成した点に特色がある。すなわち、千葉市北部工業団地と鉄工団地である。