従業員一〇人以上の事業所六八について立地上の問題点を調査した結果は六―五一表である。
従業員規模 | 10~29人 | 30~99人 | 100人以上 | 計 | 比率 |
問題内容 | |||||
% | |||||
人手不足(求人難含) | 9 | 13 | 12 | 34 | 50 |
道路交通事情悪化 | 6 | 12 | 13 | 31 | 46 |
排水問題 | 2 | 2 | 8 | 12 | 18 |
用地問題 | 2 | 3 | 7 | 12 | 18 |
公害問題 | 0 | 3 | 6 | 9 | 13 |
用水問題 | 0 | 3 | 3 | 6 | 9 |
鉄道交通問題 | 2 | 2 | 2 | 6 | 9 |
下請工場問題 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
問題なし | 0 | 1 | 2 | 3 | |
調査事業所計 | 14 | 26 | 28 | 68 | |
(調査事業所68の聞き取り調査による)
(イ)問題なしは、わずか三事業所である。(ロ)問題点の内容をみると、第一は、人手不足が半数の事業所で問題となっている。千葉公共職業安定所管内の昭和四十四年三月新規学卒者の製造業への就職状態をみると、求人に対し、中高卒者とも就職率二七パーセントで求人数の四分の一である。
次に管内新卒者の就職先をみると、中卒者は管内に五六パーセント、高卒者は五二パーセントである。中卒者は管内就職者がやや多いとはいえ、四〇パーセント余は、管外他府県に職場を求めている。高卒では、東京都内への就職者は全体の三分の一に達する。
中卒者の場合、製造業への就職者をみると、就職率の高いのは、非鉄金属、鉄鋼、金属製品部門であり、逆に低いのは、出版、化学、窯業土石である。高卒者の場合は、窯業土石、食品、出版、非鉄金属で高く、鉄鋼、繊維、木材、家具で低い。
第二は、道路交通事情の悪化である。六八事業所の輸送手段をみると(六―五二表)原料入手の場合は、千葉港を主とする港湾利用が二〇パーセント余りであるが、輸送の中心は、自動車利用で、九〇パーセントと高率を示す。製品輸送では、ほぼ全企業が自動車輸送を主体としている。製品出荷先が東京都内を主とするのが多い実情から、道路・交通事情の悪化は立地上の大問題となる。
原料 | 原料 | |||||||||
従業員規模 | 10~29人 | 30~99人 | 100人以上 | 計 | 比率 | 10~29人 | 30~99人 | 100人以上 | 計 | 比率 |
% | % | |||||||||
自動車利用 | 13 | 24 | 25 | 62 | 91 | 14 | 25 | 28 | 67 | 99 |
国鉄利用 | 1 | 7 | 2 | 10 | 15 | 2 | 5 | 3 | 10 | 15 |
千葉港利用 | 1 | 3 | 7 | 11 | 16 | 1 | 2 | 1 | 4 | 6 |
他の港利用 | 0 | 1 | 3 | 4 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
事業所計 | 14 | 26 | 28 | 68 | 14 | 26 | 28 | 68 |
(調査法その他は,6―51表に同じ)
第三は、排水及び用地問題である。排水については、内陸部進出企業の共通の問題である。用地問題は、古くから市街地に立地している企業に共通であり、東京から千葉市に移転立地したり、他方では、市街地から郊外へまた他地域への移転、工場増設、用地取得が行われているのである。内外製鋼(穴川)――東金市に、丸山製作所(稲毛)――東金市に、千葉化学機械(作草部)――鉄工団地に、川島屋(稲毛東)――犢橋に、都一製麺(葛城)――若松にそれぞれ工場を増設した。
二宮産業(寒川)――長沼町に、増田商店(末広)――桜木町に、内外地図(稲毛)――幕張に、柳川食品(鶴沢)――新港に、小川工作所(院内)――桜木町に全部移転をした。