小売業の発達

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千葉市の第三次産業の発達は、昭和三十年代が準備期間であり、昭和四十年代は飛躍的発達の期間であった。このことは商業、特に小売商業について強く現われた。小売商業の店舗数、従業員数、経営規模、年間売上高などからみて、この二つの期間がよく目立った。このような小売商業の発達の要因は、もとより購買力の源泉である人口・戸数の増加の漸増時期と激増時期とに対応するものであった。

 店舗数、売場面積、従業員数の増加は、昭和三十年代と昭和四十年代とは加速度的に大きくなった。昭和三十一年の店舗の数を一〇〇とすれば、三十五年は一一四、四十年は一四三、四十五年は一八二となって、昭和三十年代より昭和四十年代の増加が大きかった。売場面積は昭和三十一年を一〇〇とすれば、三十五年に二七〇、四十年に五一一、四十五年に一、一九二となり、五年ごとに倍増した。年間販売額は昭和三十一年を一〇〇とすれば、三十五年に二一三、四十年に七五二、四十五年に一、七八六となり、五年ごとに二倍以上の増加をした。商店の経営規模は従業員四人以下の零細経営が増加しているが、これは郊外地での商店の増加に対応したものであった。この零細な家族経営の商店の増加のなかで、中心市街の商店は従業員五~四九人の中規模の経営が増加した。特に大型店や百貨店の進出や売場面積の拡大は昭和三十年代より昭和四十年代に著しかった。昭和三十年代に百貨店は奈良屋、扇屋、田畑の三店と大型店はライオン堂、丸井千葉支店、丸興千葉支店、緑屋千葉店があった。昭和四十年代になると、千葉そごう、十字屋千葉支店、奈良屋を再編成したニューナラヤが加わり、大型店に西友ストアが西千葉や稲毛などにできた。また千葉ステーションビルやショッピングセンターなどの寄合百貨店もできた。この時期に扇屋、奈良屋、田畑、十字屋などの売場面積の拡大はめざましかった。旧奈良屋跡に寄合専門店のセントラルプラザができた。

6―61表 千葉市の小売商業の発達
年度業種店数従業員数年間販売額売場面積
万円m2
昭和31年各種商品小売業124553,1323,197
織物衣類身回品業3051,317170,9426,007
飲食料品業1,4903,933350,70611,299
自転車荷車業39794,723234
家具建具什器業23780678,8863,923
その他5291,56792,4374,059
2,6017,947757,82628,719
昭和35年各種商品小売業2493100,0406,483
織物衣類身回品業3511,969402,25017,560
飲食料品業1,5964,436651,21330,814
自転車荷車業5912112,6181,159
家具建具什器業2951,205183,8918,882
その他6662,113257,44312,897
2,96910,3371,607,45577,825
昭和41年各種商品小売業51,568825,01725,482
織物衣類身回品業4782,5481,275,8954,565
飲食料品業2,0276,7572,019,89864,201
自転車荷車業7616134,1272,338
家具建具什器業3271,822670,43123,418
その他8303,049816,34526,938
3,74315,9055,641,774146,942
昭和45年各種商品小売業72,7022,482,65667,600
織物衣類身回品業5252,6821,272,36729,523
飲食料品業2,4258,2523,825,18398,813
自転車荷車業1373,4122,545,17011,249
家具建具什器業4342,1631,185,23127,341
その他1,2284,8042,089,606108,017
4,75624,01313,400,213342,561

(『千葉県商業統計』)

6―62表 市内百貨店,大型店調査(昭和47年10月13日現在)
店名所在地電話進出年資本金従業員売場面積(m2増築面積(m2備考
百貨店万円
(株)ニューナラヤ千葉市富士見2―6―1(27)2111昭和47年40,00070016,000設立S46 7.2.
(株)扇屋〃  中央4―6―3(27)5111昭和34年19,00036215,388
(株)田畑百貨店〃  中央2―2―2(27)6111昭和39年8,0001766,75810,200m2までは許可済
(株)千葉そごう〃  富士見2―3―1(27)7231昭和42年10,00058123,300
レジャー館〃  富士見2-44,00047.10.21オープン
(株)十字屋千葉店〃  中央3―2―9(27)4171昭和42年250,0003059,668
2,12475,114
大型店(株)ライオン堂千葉市中央3―17―2(22)5300昭和23年480571,129
(株)丸井千葉店〃  本千葉町2―10(27)0101昭和39年300,0001731,485
(株)丸興千葉店〃  中央3―3―9(27)4421昭和26年100,0001201,485
(株)緑屋千葉店〃  中央3―18―3(27)6161昭和26年220,0001801,243
(株)西友ストアー西千葉店〃  春日2―20―9(41)6361昭和45年60,000611,316
〃 稲毛店〃  小仲台2―5―7(54)1221昭和46年60,000641,344
6558,002
合計2,77983,116

(『千葉県商業統計』)

6―63表 千葉市の地区別の商業
地区商店数従業員数年間販売額年間販売額に対する各地区の割合
昭和30年昭和40年昭和30年昭和40年昭和30年昭和40年昭和30年昭和40年
億円億円
旧市内1,8473,3398,64423,2612501,26467.077.3
幕張1662714028703260.81.6
検見川1474853561,952516213.23.8
犢橋4080682260.2190.71.2
都賀1302733178127411.92.5
6719214724522865.55.3
蘇我253625972,260409110.45.6
千城38230934800.3191.2
誉田7375138201190.30.5
生浜541421095030.7100.20.6
椎名131427271
92237260.70.4
2,9855,81410,89831,0743871,634100.0100.0

(『千葉県商業統計』)