昭和三十年の千葉市の人口は約二〇万人、一五年後の同四十五年には約四八万に増加した。この増加した人口の居住地は、千葉市の都市形態を大きく変えた。千葉市の人口増加は、昭和三十年から同三十三年までは年平均六千人であって、特に大きくはなかった。昭和三十四年から同三十八年までは年平均一万五千人増加した。昭和三十九年から同四十二年まで年々二万人の増加となり、その後は年々三万人の増加となった。人口は加速度的な増加をはじめた。昭和三十年代の前半は、川崎製鉄の従業員の社宅が、蘇我地区に一、〇三三戸も建設された。蘇我地区は、この時期の人口が激増した地区であった。昭和三十年代の後半は、中心市街周縁から内陸にかけて宅地造成が盛んになり、人口が増加しはじめた。また総武線沿線の幕張・新検見川・稲毛・西千葉などの各駅を中心として宅地造成が盛んになり、人口は増加した。この時期に人口が増加した内陸では、内陸工業団地の従業員の住宅が多く、総武線沿線には、東京から移住してきた東京通勤者の住宅が多かった。昭和三十年には、いまだ集団住宅地ともいうべき住宅団地の入居は少なかった。わずかに日本住宅公団の稲毛（二四〇戸）、園生（四三八戸）、小仲台（三一〇戸）などであり、小規模な住宅団地であった。

　昭和四十年代になると、宅地造成の様相は一変した。一住宅団地にして戸数一千戸、人口三千人以上のものが多くなった。海岸埋立地に、五、九一六戸、人口二万一三二〇人の幸町団地が完成し、昭和四十三～四十五年に入居して人々を驚かした。しかし、内陸では昭和四十一～四十三年に完成、入居した花見川団地が戸数七、〇八一戸、人口二万六一八〇人で県下最大の住宅団地であった。このように住宅団地は、日本住宅公団、千葉県住宅供給公社や都市公社などによって造成されたものが、昭和四十年代に三一団地に達した。その造成面積は、八三四万平方メートル、戸数五万五五八五戸、入居人口は二〇万六五七六人に達した。このほかに、民間の大規模な集団住宅地の造成も盛んで、入居、着工中のもの合計して四七ヵ所、造成面積が一八〇万平方メートル、戸数七千戸、人口が二万八〇一七人であった。更に、計画中の住宅団地は、公的機関による計画は八ヵ所、造成面積一、九一四万平方メートル、戸数八万八千戸、入居人口は三二万人もあり、民間の計画している集団住宅地は二七ヵ所、六四万平方メートル、三千七百戸、人口一万三千八百人であった。千葉市の昭和四十年代における既設の集団住宅地の入居人口は、二三万四千人もあった。これに計画中の集団住宅地の入居人口を合計すれば、約五七万人となる。この住宅団地に入居する人口により、千葉市の人口は、昭和五十五年に一〇一万人となり、昭和六十年に一一五万人を越え、昭和五十年代は年ごとに増加する人口が平均して四万五千人となる。