千葉県教育委員会は県下の人口急増地域に、高等学校を新設し、高等学校への入学難の緩和を図り、地域住民の教育に対する要望に答える方針を定めていた。この方針に従って、昭和四十六年度は鎌ケ谷市、君津市に高等学校を新設したが、昭和四十七年度は千葉市に高等学校一校の新設を予定していた。千葉市は新設予定校の校地の三分の二を負担する約束を結び、市内に高等学校を設置するのを側面から援助した。昭和四十六年十二月十五日、県教育委員会定例協議会で、千葉市に設置が可決され、翌年三月二十八日、千葉県立千葉南高等学校設置を採択した。校地は市内花輪町に決定されたが、とりあえずは敷地内にプレハブ校舎を仮設し、鈴木九萬を校長に、男女共学の全日制、普通科の高等学校として発足したのである。
昭和四十七年四月十四日に開校式を挙行し、二七〇名の新入生を迎えいれている。ところで、花輪町の校地造成中、前期古墳時代に属する仁戸名古墳群が発掘された(詳細は『仁戸名古墳調査報告』を参照のこと)。本校は出土した「剣型の矢尻」「勾玉」に由来して、二つの勾玉を上部に、三本の矢鏃を下部に重ねた校章を制定した。本校は教育目標に「一心三力」の養成を掲げている。
心情 明るく豊かな心と強い責任感
学力 高い知性と燃える探究心
体力 健やかな身体とたくましい体力
気力 強固な意志とたゆまぬ実践力
右の四項目をあげて、人間味豊かな、生きがいを見出だすことのできる、そして、たくましい、かつ主体的に学習する学力の養成によって、新しい校風の樹立へと励んでいる。