淑徳大学

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 本学は千葉市大厳寺町二〇〇に所在し、「大乗仏教の精神にもとづき、社会福祉の増進と教育による人間開発・社会開発に貢献する人材の育成」を目的に、大乗淑徳学園の頂点に立つ施設として開設された。本学の設立計画は昭和三十八年に始まり、地元住民の積極的協力を受けて、昭和四十年一月二十五日に設立認可となり、社会福祉学部社会福祉学科の一学部一学科、定員四百名という全国でもユニークな大学として発足した。創立者であり、初代学長でもあった谷川良信は早くから社会事業に身をささげ、大正八年東京巣鴨において大乗淑徳学園の基礎を確立している。

 昭和四十五年度から、本学は、「開かれた市民の大学」への方向転換を図り、しかも多様化している学生の要求に答えるため、教育内容の一大変革が実施された。まず履習学科目をその学問領域に従って、次のように分類している。

 第一類 人間研究

      (思想・文芸・歴史・心理・医学)

 第二類 社会研究

      (社会・人類・法・政経)

 第三類 社会福祉の研究

      (理論・法制・行政・臨床・産業・労働)

 第四類 教育の研究

      (児童福祉・中等教育・社会教育・社会体育)

 学生は右の四類のうち一つを主専攻に学習し、ほかに副専攻、自由選択が認められている。約千名の学生に対し、演習(ゼミナール)を五〇以上開設しているのも、ほかの私学ではみられない特色の一つである。しかし、この最新の改革も激しい学園紛争を経ての改革である点もみのがせない。学生は卒業後、各福祉行政部門、児童福祉司、精神衛生相談員、医療社会事業員、教員、社会教育主事、更に一般企業・団体の労務、厚生担当者として、多方面に活躍の分野が開かれており、今後いっそう社会福祉従事者に対する需要は増大すると予想されて、本学に対する期待は大きいといえよう。

 なお、本学には児童相談所が附設され、昭和四十四年四月から、精神薄弱幼児治療教室も開設されている。

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