各種学校

345 ~347 / 546ページ

 昭和二十二年四月一日施行の「学校教育法」によると、小学校、中学校、高等学校、大学、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園以外で、学校教育に類する教育を行うものは各種学校とすると規定されている。広い意味の各種学校のなかには、個人的学習塾なども含まれるので、その実態を明らかにすることは困難である。明治期に届出された各種学校としては盈進(えいしん)学校(明治十二年設立)、自彊(じきょう)学館(明治四十五年認可)、千葉高等産婆学校(明治二十年設立)があげられる。盈進学校は中学校、師範学校、医学校の入学試験及び小学校教員検定試験の準備教育を施す学校で、現在の予備校にあたり、明治十八~九年まで存在していた。自彊学館は千葉県教育会が千葉町の官公庁、会社等で働く勤労青少年に普通教育を授ける学校であった。明治四十五年には私立学校令による認可を受け、毎日二時間、修業年限三カ年で、修身、国語、算術、経済、法制の科目を勉学していた。以上のほか明治三十六年に土岐裁縫学校、明治三十年には千葉和洋裁女学校が設置された。この二校はいずれも花嫁修業的色彩をもっていた。大正に入って、千葉看護婦学校(大正三年設置)、加藤助産婦学校(大正十一年設置)など女子の専門職業教育機関としての各種学校が設立されたのである。

 戦後、各種学校は中学校、高等学校の卒業生を対象に一~二カ年間、実用的、専門的教育を施す教育機関として発展している。戦後間もなくは女子を主体に服飾、家政に関するものが多かったが近年は産業界の要望もあって、男女を対象とする第二次、第三次産業と直接結びつく知識、技能を養成する各種学校が増加している。現在、千葉市域の各種学校一覧は次の六―一〇六表のとおりであるがこのほかにも届出のないものも相当あると思われる。なお、学校組織であったか否かは不明であるが、特異な学校に白戸飛行学校がある。大正年間、新宿町を本拠に、干潮時を利用して、飛行訓練に当たったが、犠牲者が多かったため廃校になってしまった。千葉寺境内にその顕彰碑が立っている。

6―106表 市内各種学校一覧
学校名所在地生徒数( )内は昼間備考
土岐裁縫専門学校緑町1―5―17173(142)学校法人
パリー美容女学校長洲2―21―1177(77)財団法人
呉羽女子家政学院本町1―7―5123(30)
湯浅文化洋裁学院弁天町87―7181(55)
植草文化服装学院弁天町78527(432)学校法人
小柴裁縫女学校本町2―2―657(37)
中村ドレスメーカー女学院新宿2―14―3296(125)学校法人
千葉裁縫女学校稲毛台町22―647(16)
西千葉ドレスメーカー女学院春日2―22―1941(27)
千葉ドレスメーカー女学院新千葉2―5219(95)学校法人
本木裁縫女学校東本町7―1950(20)
千葉女子専門学園道場北1―17―6938(790)学校法人
白百合学園新町100853(351)財団法人
千葉第一珠算学校本千葉町10―16140
千葉速算学校東本町8―31118
千葉理容学校弥生町2―11100(66)財団法人
千葉准看護婦学校神明町204173(171)社団法人
東洋理容美容学校春日2―18―692(72)学校法人
千葉中央タイピスト学院中央4―14―16128(63)
千葉経理専門学院新宿5―2126(101)
千葉英和タイピスト学院弁天3―15―1395(95)
植草家政専門学院弁天町79661学校法人
千葉文化英語学校末広1―19―6495(71)
蘇我服装編物学院今井2―16―152(10)
イースト・ウエスト英会話学院稲毛台町18―10458(70)
松ケ丘研修学院松ケ丘町193220(38)
千葉栄養料理学校大巌寺町200宗教法人
千葉朝鮮初中級学校浪花町965368(175)学校法人
千葉予備学校祐光4―1―18380(320)
千葉調理師学校新千葉2―5119学校法人
千葉美容専門学校検見川町3―2106―3111(111)県美容業環境衛生同業組合
千葉県自動車技術専門学校新港15662(62)県自動車工業協同組合
千葉県医師会立高等看護学院神明町204121(121)
川鉄病院付属准看護学院南町1―5―1829(29)社団法人
植草幼児教育専門学院弁天町79―332(32)
県立養護専門学院弥生町1―33109(109)千葉県
県立栄養専門学院花輪町11169(69)千葉県
県立衛生専門学院花輪町111159(159)千葉県

(千葉県各種学校協会調べ)